インプラント撤去が必要になるケースとは
杉並区のやまむら歯科医院です。当院では、インプラント治療を受けられた患者様から、時折インプラントの撤去についてのご相談をいただくことがあります。インプラントは本来、長期間使用できる優れた治療法ですが、様々な理由により撤去が必要となるケースが存在します。
インプラント撤去が必要となる主な理由として、インプラント周囲炎の進行があります。これは、インプラント周囲の組織に炎症が起こり、適切な治療を行っても改善が見られない場合に発生します。また、インプラント体の破損や、上部構造の度重なる不具合、神経への圧迫による痛みやしびれ、副鼻腔への迷入なども撤去の原因となることがあります。
さらに、全身疾患の発症により、インプラントの維持が困難になるケースもあります。例えば、骨粗しょう症の治療薬であるビスフォスフォネート製剤を使用する必要が生じた場合、顎骨壊死のリスクを避けるため、インプラント撤去を検討することがあります。
インプラント撤去にかかる費用の内訳
インプラント撤去の費用は、一般的な歯科治療と比較して高額になることが多く、これには複数の要因が関係しています。まず、撤去手術自体の技術料があります。インプラントは顎骨と強固に結合しているため、その撤去には高度な技術と専門的な器具が必要となります。
費用の内訳として、術前の精密検査費用があります。CTスキャンによる三次元的な画像診断は、インプラントの位置や骨との結合状態を正確に把握するために不可欠です。この検査費用だけでも1万円から3万円程度かかることがあります。
手術費用には、局所麻酔や必要に応じて行われる静脈内鎮静法の費用、撤去に使用する特殊器具の費用、そして執刀医の技術料が含まれます。インプラント撤去は通常の抜歯とは異なり、周囲の骨を最小限の侵襲で処理しながら行う必要があるため、1本あたり5万円から10万円程度の手術費用がかかることが一般的です。
撤去後の処置も費用に影響します。インプラントを撤去した後の骨欠損部には、骨補填材を填入する必要がある場合があり、この材料費と処置費用で追加で3万円から5万円程度かかることがあります。また、術後の投薬費用、消毒や経過観察のための通院費用も必要となります。
撤去の難易度による費用の違い
インプラント撤去の費用は、撤去の難易度によって大きく変動します。比較的簡単に撤去できるケースでは、費用は抑えられますが、複雑なケースでは高額になる傾向があります。
簡単なケースとは、インプラント周囲炎により既に動揺が認められ、骨との結合が弱くなっている場合です。このような状況では、比較的短時間で撤去が可能であり、周囲組織への侵襲も最小限に抑えられます。
一方、難易度の高いケースとして、インプラントが完全に骨と結合している場合があります。特に、長期間問題なく機能していたインプラントを何らかの理由で撤去する必要が生じた場合、撤去には相当な時間と技術が必要となります。トレフィンバーという特殊な器具を使用して、インプラント周囲の骨を円筒状に削り取る必要があるため、手術時間も長くなり、それに比例して費用も高額になります。
また、インプラントの埋入位置によっても難易度は変わります。上顎の奥歯で上顎洞に近接している場合や、下顎で下歯槽神経に近い場合は、より慎重な処置が必要となり、場合によっては口腔外科専門医への紹介が必要となることもあります。このような専門的な処置が必要な場合、費用は20万円を超えることも珍しくありません。
保険適用の有無と自費診療について
インプラント撤去に関する保険適用については、多くの患者様が関心を持たれる点です。残念ながら、インプラント撤去は原則として健康保険の適用外となり、自費診療での対応となります。
ただし、例外的に保険適用となるケースも存在します。例えば、他の医療機関で埋入されたインプラントが原因で、重篤な炎症や神経麻痺などの症状が発生し、医学的に撤去が必要不可欠と判断された場合には、保険適用が認められることがあります。しかし、このような保険適用のケースは極めて限定的であり、多くの場合は自費診療となることを理解しておく必要があります。
自費診療となる理由として、インプラント治療自体が自費診療であることが挙げられます。保険診療は疾病の治療を目的としていますが、インプラントは機能回復のための選択的な治療法という位置づけのため、その撤去も同様に自費診療となります。
やまむら歯科医院では、インプラント撤去が必要となった患者様に対して、費用面での負担を考慮し、分割払いなどのお支払い方法もご用意しています。また、撤去後の補綴治療についても、患者様のご予算に応じて最適な治療法をご提案させていただいています。
撤去後の追加治療と総費用
インプラント撤去後は、多くの場合、欠損部位に対する何らかの補綴治療が必要となります。この追加治療の費用も、総費用を考える上で重要な要素となります。
撤去後の骨の治癒には通常3か月から6か月程度の期間が必要です。この治癒期間中は、必要に応じて仮歯や仮義歯を装着することがあり、これらの費用も考慮する必要があります。仮歯の費用は1本あたり5千円から1万円程度が一般的です。
骨の治癒後の選択肢として、再度インプラント治療を行う場合があります。初回のインプラント治療で問題が生じた原因を十分に分析し、改善策を講じた上で行う再治療は、成功率も高く、良好な結果が期待できます。ただし、再インプラント治療の費用は、通常のインプラント治療と同程度かそれ以上となることがあります。
ブリッジによる治療を選択する場合、両隣の歯を削る必要がありますが、インプラント撤去後の選択肢として検討されることがあります。ブリッジの費用は、使用する材料により異なりますが、セラミックブリッジの場合、3本分で30万円から45万円程度が相場となります。
部分入れ歯という選択肢もあります。保険適用の入れ歯であれば費用を抑えることができますが、審美性や機能性を重視する場合は、自費診療の精密入れ歯を選択することもあります。自費の部分入れ歯は、10万円から30万円程度の費用がかかります。
まとめ:インプラント撤去費用の相場
インプラント撤去の費用について、様々な要因を考慮すると、総費用の相場は15万円から25万円程度となることが一般的です。この金額には、術前検査、撤去手術、骨補填材、術後の管理費用などが含まれます。
ただし、この相場はあくまで標準的なケースでの目安であり、実際の費用は個々の症例により大きく異なる可能性があります。複数本の撤去が必要な場合や、骨造成が大規模に必要な場合、全身麻酔下での処置が必要な場合などは、費用がさらに高額になることがあります。
やまむら歯科医院では、インプラント撤去が必要となった患者様に対して、まず詳細な検査と診断を行い、撤去の必要性、方法、費用について十分な説明を行っています。セカンドオピニオンを求められる場合も、快く対応させていただいています。
インプラント治療は本来、適切なメンテナンスを行えば長期間使用できる優れた治療法です。定期的なメンテナンスと適切なセルフケアにより、撤去のリスクを最小限に抑えることができます。当院では、インプラント治療を受けられた全ての患者様に、定期的なメンテナンスプログラムをご提供し、インプラントの長期安定を目指しています。
もしインプラントに違和感や痛みを感じられた場合は、早期の受診をお勧めします。早期に問題を発見し対処することで、撤去を回避できる可能性もあります。杉並区でインプラント治療やインプラント撤去についてお悩みの方は、ぜひやまむら歯科医院にご相談ください。経験豊富な歯科医師が、患者様一人ひとりの状況に応じた最適な治療法をご提案させていただきます。
杉並区下井草やまむら歯科医院では経験値の高いインプラント認定医によるインプラント、オールオン4無料相談、カウンセリングを行っております。ご希望の方は、応募フォームまたは、お電話(03-3397-1020)にてお申し込みください。
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