インプラント治療の流れ|初診から完成まで徹底解説
歯を失ってしまった際の治療法として、インプラントは自然な見た目と噛み心地を実現できる優れた選択肢です。しかし、実際にインプラント治療を受けるとなると「どのような流れで進むのか」「期間はどれくらいかかるのか」など、不安や疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、インプラント治療の初診から完成までの流れを、各ステップごとに詳しく解説します。治療を検討中の方や、これから治療を始める方の参考になれば幸いです。
インプラント治療とは
インプラント治療は、失った歯の代わりに人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。ブリッジや入れ歯と比較して、隣の歯を削る必要がなく、自分の歯のように噛むことができるという大きなメリットがあります。
治療期間は個人差がありますが、一般的に3〜6ヶ月程度かかります。骨の状態によっては、さらに時間が必要な場合もあります。
インプラント治療の基本的な流れ
1. 初診・カウンセリング(1〜2回)
インプラント治療の第一歩は、歯科医院での初診・カウンセリングです。この段階では以下のことを行います。
問診と口腔内診査
- 現在の症状や治療に対する希望をお聞きします
- 口腔内の状態を詳しく診察します
- 全身の健康状態や服用中の薬について確認します
治療方針の説明
- インプラント治療の概要と流れを説明します
- 治療期間や費用の目安をお伝えします
- 他の治療法(ブリッジ、入れ歯)との比較検討を行います
この段階で治療に関する疑問や不安をしっかりと解消することが、安心して治療を受けるための重要なポイントです。
2. 精密検査(1回)
インプラント治療を安全に行うためには、詳細な検査が不可欠です。
レントゲン・CT撮影
- パノラマレントゲンで全体的な骨の状態を確認
- CT撮影により骨の厚みや密度を3次元的に把握
- 神経や血管の位置を正確に確認
口腔内写真撮影
- 治療前の状態を記録
- 治療計画の立案に活用
歯型採取
- 噛み合わせの状態を確認
- 最終的な人工歯の設計に使用
血液検査(必要に応じて)
- 全身状態の確認
- 感染症の有無をチェック
これらの検査結果をもとに、患者様一人ひとりに最適な治療計画を立案します。
3. 治療計画の説明・同意(1回)
精密検査の結果をもとに、具体的な治療計画を説明します。
説明内容
- インプラントを埋入する位置と本数
- 骨造成の必要性の有無
- 具体的な治療スケジュール
- 最終的な費用
コンピューターシミュレーションを使用して、治療後のイメージを視覚的に確認できる場合もあります。十分に納得いただいた上で、治療同意書にサインをいただきます。
4. 一次手術(インプラント埋入)
いよいよインプラント体を顎の骨に埋め込む手術を行います。
手術の流れ
- 局所麻酔を行い、痛みを感じないようにします
- 歯肉を切開し、顎の骨を露出させます
- 専用のドリルで骨に穴を開けます
- インプラント体を埋入します
- 歯肉を縫合します
手術時間は、埋入本数により異なりますが、1本あたり30〜60分程度です。術後は抗生物質と痛み止めを処方し、腫れや痛みを最小限に抑えます。
5. 治癒期間(2〜6ヶ月)
一次手術後、インプラント体と骨が結合する期間が必要です。この過程を「オッセオインテグレーション」と呼びます。
治癒期間中の注意点
- 定期的な経過観察(2〜4週間ごと)
- 口腔内の清潔を保つ
- 硬い物を噛まないよう注意
- 禁煙の徹底(喫煙者の場合)
治癒期間は、上顎で4〜6ヶ月、下顎で2〜3ヶ月が目安です。骨の状態により個人差があります。
6. 二次手術(アバットメント装着)
インプラント体と骨の結合が確認できたら、人工歯を取り付けるための土台(アバットメント)を装着します。
手術の流れ
- 局所麻酔を行います
- 歯肉を小さく切開します
- インプラント体の上部を露出させます
- アバットメントを装着します
- 歯肉の治癒を待ちます(1〜2週間)
二次手術は一次手術に比べて侵襲が少なく、手術時間も短時間で済みます。
7. 人工歯の製作・装着
歯肉の治癒後、最終的な人工歯(上部構造)を製作・装着します。
製作過程
- 精密な型取りを行います
- 噛み合わせの確認をします
- 仮歯で形や色を調整します
- 最終的な人工歯を製作します
- 装着・調整を行います
人工歯の材質は、セラミックやジルコニアなど、審美性と耐久性に優れたものを使用します。自然な見た目と機能を実現するため、細かな調整を行います。
8. メンテナンス
インプラント治療完了後も、定期的なメンテナンスが重要です。
メンテナンス内容
- プロフェッショナルクリーニング
- 噛み合わせのチェック
- インプラント周囲の炎症の有無を確認
- レントゲン撮影(年1回程度)
適切なメンテナンスにより、インプラントは10年、20年と長期間使用することができます。
骨造成が必要な場合の流れ
顎の骨が不足している場合、インプラント埋入前に骨造成術が必要になることがあります。
主な骨造成術
- GBR法(骨誘導再生法)
- サイナスリフト(上顎洞底挙上術)
- ソケットリフト
- 自家骨移植
骨造成を行った場合、治療期間が3〜6ヶ月程度延長されます。しかし、十分な骨量を確保することで、より安定したインプラント治療が可能になります。
インプラント治療を成功させるポイント
1. 適切な診断と治療計画
CTスキャンなどの精密検査により、骨の状態を正確に把握することが重要です。経験豊富な歯科医師による適切な診断と治療計画が、成功の鍵となります。
2. 口腔内環境の改善
インプラント治療前に、虫歯や歯周病の治療を完了させることが必要です。健康な口腔内環境を整えることで、インプラントの成功率が向上します。
3. 全身状態の管理
糖尿病や高血圧などの全身疾患がある場合は、かかりつけ医と連携して適切にコントロールすることが大切です。
4. 禁煙
喫煙はインプラントの成功率を著しく低下させます。治療前から禁煙に取り組むことを強くお勧めします。
5. 定期的なメンテナンス
治療後も3〜6ヶ月ごとの定期検診を受けることで、インプラントを長期間良好な状態で維持できます。
よくある質問
Q: インプラント手術は痛いですか? A: 手術中は局所麻酔により痛みを感じることはありません。術後の痛みも、処方される痛み止めで十分コントロールできます。
Q: 治療期間中、歯がない状態になりますか? A: 前歯など審美的に問題がある部位では、仮歯を装着することができます。奥歯の場合も、必要に応じて仮歯の対応が可能です。
Q: インプラント治療に年齢制限はありますか? A: 骨の成長が完了した20歳以降であれば、基本的に年齢の上限はありません。ただし、全身状態により適応とならない場合があります。
まとめ
インプラント治療は、初診から完成まで複数のステップを経て進められます。各段階で適切な処置を行うことで、自然な見た目と機能を持つ人工歯を手に入れることができます。
治療期間は長く感じるかもしれませんが、それぞれの過程には重要な意味があります。焦らず、歯科医師の指示に従って治療を進めることが、良好な結果につながります。
インプラント治療を検討されている方は、まずは歯科医院でのカウンセリングを受けることから始めてみてはいかがでしょうか。専門医による詳しい説明を受けることで、治療への不安が解消され、安心して治療に臨むことができるでしょう。
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